TOPへ

健康診断で異常を指摘された方へ

健康診断で「異常」「要精密検査」と指摘された

健康診断で「異常」「要精密検査」と指摘された検査結果は過剰に重く考えなくても良いのですが、放っておくと数年後に生活に大きな影響を及ぼす治療が必要になるリスクがあります。特に生活習慣病の場合は、動脈硬化が進んで心臓や脳に多大な損傷を引き起こす可能性があるため、健康診断では生活習慣病の有無を特に確認しています。
生活習慣病を早い段階で的確に治療すれば、健康が損なわれる可能性は低くなり、快適な生活を送れるようになります。健康診断で「異常」が指摘された場合は、早めにご相談ください。

健康診断の結果一覧

異常なし

今回の検査数値が正常範囲内だったという意味です。心配はいりません。

要経過観察・要塞検査

検査数値が正常範囲内ではないのですが、緊急性はなく、数ヶ月後または1年後に再度検査を受けてくださいという意味です。現状より悪くならないよう、できれば良くなるように、生活習慣の改善を心がけましょう。異常値が出た場合でも、特に慌てなくて良い結果です。

要精密検査

さらに詳しく精密検査を受ける必要があります。精密検査の結果で異常がないこともありますので、病気と決まったわけではありませんが、健康診断だけでは病気の有無をすべて特定することは困難なため、必ず医療機関を受診して検査を受けるようにしてください。

要治療

健康診断ですでに治療が必要な異常値が見つかっています。すみやかに専門医を受診してください。

検査項目

血圧

血圧測定で最高血圧(収縮期)または最低血圧(拡張期)のいずれかが正常範囲を超えると、高血圧と診断されます。高血圧とは、血管の内壁が傷ついたり、柔軟性が失われて固くなったりして、血管に負担がかかっている状態です。進行すると、動脈硬化や脳出血、脳梗塞などのリスクが高まります。ただし、病院や健診の際に測定した血圧が普段より高く出ることがあります(白衣性高血圧と言います)。ご自宅で測定した血圧が正常値であれば、その結果を持参し、医師にご相談ください。

コレステロール

血液中の善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)の量を測定し、動脈硬化のリスクを判定します。HDLは動脈硬化を防ぐ役割があり、量が少ないと動脈硬化のリスクが高まります。一方、LDLは動脈硬化を進行させる働きがあり、量が多いと注意が必要です。HDLとLDLのバランスが重要であり、単独の数値だけでなく、その比率も考慮します。異常を指摘された場合は、生活習慣の見直しと改善により、病気のリスクを抑えることができますので、お早めに当クリニックにご相談ください。

血糖値

血液中のブドウ糖の量を測定することで糖尿病のリスクを評価します。糖尿病は血糖値が高く血管に負担がかかる状態で、放置すると動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞のリスクが増加します。また、毛細血管への影響で失明や足指の壊死、腎機能障害などの合併症を引き起こす可能性もあります。初期段階では自覚症状がほとんどないため、健康診断で異常が指摘された場合は速やかに医師の診察を受けましょう。

尿酸値

尿酸値が高いと血管や腎臓に負担がかかり、痛風発作を引き起こすことがあります。ビールなどに含まれるプリン体の過剰摂取で尿酸値が上昇するため、基準値を超えた場合は、飲食の制限や適度な運動で健康管理を行うことが重要です。

肝機能

細胞内にある酵素のAST(GOT)やALT(GTP)の数値を調べることで肝疾患の有無を判定します。γ-GP(γ-GTP)はアルコールや薬の影響による肝障害や肝炎を確認するために測定します。健康診断で肝機能の数値が正常範囲を超えた場合は、早めに医療機関で精密検査を受けましょう。

貧血

血液検査で赤血球数や血色素量、ヘマトクリット(赤血球の容積のパーセント表示)を測定し、貧血の有無を確認します。貧血は鉄分不足だけでなく、消化器の出血が原因の場合もあります。健康診断で貧血が指摘された場合は、状況に応じた治療が必要ですので、医療機関で医師の判断を仰ぐようにしましょう。

尿検査

尿中のブドウ糖、たん白、赤血球の量を調べ、正常値を超えている場合は、尿路感染症、尿路結石、腎機能障害、腎炎、糖尿病などが疑われます。普段から強い痛みなどの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診し検査を受けましょう。尿は食事内容に影響を受けやすく、健康診断で異常が見られても、精密検査では異常が確認されないこともあります。

心電図

心電図検査は、不整脈や狭心症、心筋梗塞などの心臓病の兆候を調べます。医師の問診・診察と併せて判断され、要観察や要精密検査の結果が出た場合は早めに医療機関を受診しましょう。当クリニックは循環器専門のクリニックですので、さらに詳しい検査を行うことができます。一方で、健診で受ける心電図検査は日常生活の一部でしか計測できませんので、動悸、息切れ、胸の痛みなどがある場合は、健診で異常が見つからなくても医療機関を受診するようにしましょう。

よくあるご質問

糖尿病の疑いを指摘され、合併症など不安です

糖尿病になると血糖値が慢性的に高まり、血管に負担をかけて動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めます。また、高血糖の影響で全身の毛細血管にも障害が生じ、失明や足指の壊死、腎機能障害などの重篤な合併症に進行する可能性がありますので、早期の治療開始が重要です。放置すると生活や健康に深刻な影響を及ぼす可能性がありますので、専門医の受診をご検討ください。

高血圧を指摘されたら、どうしたらいいですか?

健康診断での血圧測定では、緊張や環境の影響で普段よりも高めの結果が出ることがあります。高血圧が指摘された場合は、まずは自宅で数日間、安静時の血圧を測定することが推奨されます。
また、高血圧を指摘された場合に、ご自宅でできる対策としては、以下の4点があります。

  1. 食塩摂取量を1日に6g未満に抑えること。
  2. 適度な運動を行うこと。久しぶりに運動する場合は医師に相談しましょう。
  3. BMIが高い場合は体重を減らすこと(目標は現在の体重の3%程度)。
  4. 喫煙者は禁煙すること。

収縮期血圧が160mmHg以上、拡張期血圧が100mmHg以上の場合は、早めに医師に相談しましょう。
生活習慣の見直しを2週間程度行っても高血圧が改善しない場合も、専門医の受診をご検討ください。

LDLコレステロールの値が高かったら、何から行えばいいですか?

LDLコレステロールの増加が引き起こす動脈硬化は自覚症状がほとんどありません。自覚症状が現れてからでは脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などの重篤な疾患のリスクが高くなりすぎてしまうため、異常を指摘されたらできるだけ早く医療機関で治療を受けてください。
診療では、LDLコレステロールと中性脂肪の数値だけでなく、高血圧や糖尿病など他の生活習慣病の有無や状態、受動喫煙を含む喫煙、慢性腎臓病や早発性冠動脈疾患の家族歴、動脈硬化性疾患の既往、年齢、性別などを考慮した上で診断し、最適な治療方針を立てていきます。

尿検査で異常を指摘された場合、どんな病気の可能性がありますか?

尿検査では血尿の有無、糖やタンパクの量などを調べますが、これらの結果は前日や当日の状態によって影響を受けます。そのため、異常を指摘された場合は、腹部超音波検査などの精密な検査が必要です。可能性のある病気としては、尿路感染症、尿路結石、腎機能障害、腎炎、糖尿病、腫瘍などが考えられます。

尿酸値が高い場合は、禁酒したら戻りますか?

尿酸は血液中に存在し、増加すると関節内で結晶化し、痛風発作や腎不全の原因になる可能性があります。尿酸値の管理は重要で、高い場合は動脈硬化など他の生活習慣病との関連もあります。プリン体を多く含む食品や飲料の摂取を制限し、食事の総カロリー量にも注意しましょう。ビールや他のアルコールも尿酸生成に影響しますが、それだけが原因ではないので、適度な運動や水分摂取も含めた生活習慣全般の見直しが必要です。

心電図検査で異常を指摘されました

心電図検査では、心臓の収縮に伴う微弱な電流を記録し、心臓の健康状態を評価します。異常が見られた場合、不整脈や虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)、心筋症、心肥大などの可能性が考えられます。症状に応じて、迅速な治療が必要な場合もありますが、経過観察で済むこともあります。胸の痛みや息切れなどの症状がある場合は、早めに循環器科での精密検査を受けることが重要です。循環器科では、24時間のホルター心電図や負荷心電図、超音波検査など、患者が通常の生活を送りながら心臓の状態を評価します。必要に応じて、心臓カテーテル検査や冠動脈CT検査も実施し、的確な診断と治療を行います。