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動悸

 

動悸とは

動悸とは動悸とは、自分の心臓の拍動が普段と違うと感じ、それにより不快感や違和感を自覚する症状のことです。普段よりも脈拍が強い、脈拍が速い、脈が飛ぶ、脈が乱れると感じることもあります。このように、脈拍が普段と違うと感じるだけで動悸と表現されます。そのため、動悸がいつから始まり続いているのか、どのような時に起きるのか、どのように感じる動悸なのかが重要です。

動悸に伴う注意が必要な症状

動悸をたまに感じる程度なら、特に問題はなく、様子を見てよい場合がほとんどです。しかし、動悸に伴って次のような症状が見られる場合は、注意が必要です。

  • 咳や痰
  • ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音
  • 息苦しさ
  • 胸痛
  • むくみ
  • 倦怠感
  • めまいやふらつき
  • 冷汗
  • 失神

など

動悸の原因・症状から考えられる病気

動悸に伴う症状や特徴から考えられる原因は、以下の通りです。
主に考えられる原因としては、不整脈や心不全などの循環器疾患と、甲状腺機能亢進症や貧血、低血糖、パニック障害などの循環器疾患以外の疾患があります。

伴う症状・特徴 考えられる原因・病気
脈が速くなる 洞性頻脈(運動後、緊張、ストレス、睡眠不足) 心不全
息切れ めまい 血圧低下・失神 心房細動
息切れ 胸の痛み 心臓弁膜症
甲状腺の腫れ 指の震え 甲状腺機能亢進症
息切れ めまい、立ちくらみ 鉄欠乏性貧血
冷や汗 震え 脱力感 強い空腹感 めまい 低血糖
パニック発作 (強い不安、めまい、息切れなど) パニック障害

不整脈

不整脈は心臓のリズムが乱れる状態を指し、動悸の主な原因の1つです。特に脈が速くなる不整脈には、発作性心房細動や発作性上室性頻拍などがあります。
発作性心房細動は、突然脈が乱れ始める不整脈です。放置すると心不全や脳梗塞のリスクが高まるため、早めの治療が重要です。高血圧、糖尿病、加齢、過度の飲酒、睡眠不足、運動不足などが原因となることがあります。
発作性上室性頻拍は、心拍数が急激に増加する不整脈です。通常1分間に60〜90回程度の脈拍が、突然150〜200回程度まで上昇します。この状態では血圧が低下し、めまいやふらつきを感じることがあります。

心房細動

心房細動は、心臓の上部(心房)が小刻みに震える不整脈です。この結果、脈が不規則になります。70歳を超えると10人に1人以上が経験する一般的な不整脈です。
初期段階では「発作性」と呼ばれ、短時間だけ症状が現れます。しかし、時間の経過とともに発作の持続時間が長くなり、頻度も増加します。最終的には「持続性」となり、常に不整脈の状態が続きます。
心房細動の危険性は、脈の乱れだけでなく、心臓内で血栓ができやすくなることです。この血栓が脳に飛ぶと脳梗塞を引き起こす可能性があります。心臓内で形成される血栓は比較的大きいため、脳梗塞を起こした場合、半身不随や意識障害などの重篤な症状を引き起こすことがあります。

心臓弁膜症

心臓弁膜症とは、心臓内の血液の逆流を防ぐ弁が正常に機能しなくなる状態のことです。心臓弁膜症には、弁の開きが悪くなり血液の流れが悪くなる狭窄症や、弁が完全に閉じず血液が逆流する閉鎖不全症があります。主な症状には、息切れ、動悸、疲労感、浮腫などがあり、進行すると心不全に至ることもあります。

心不全

心不全とは、心機能が低下して、心臓が血液を全身に十分に送り出せなくなっている状態のことです。不足している心拍出量を補うために心拍数が増加し、動悸が生じます。主な症状として、食欲不振、倦怠感、足の浮腫などの症状が見られ、進行すると息苦しさを感じるようになります。

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態のことで、代表的な病気はバセドウ病です。甲状腺ホルモンは体の代謝を活発にし、全身の臓器の機能を促進します。この影響により心拍数が増加し、動悸を引き起こします。動悸以外にも、手の震え、多汗、疲労感、体重減少などの症状が見られることがあります。

貧血

貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビンの量が不足する状態のことを指します。赤血球は全身に酸素を運び、ヘモグロビンは酸素を結び付ける役割を担っています。貧血が生じると、全身に運ばれる酸素の量が減少し、酸素不足を補うために心拍数が増加して動悸が起こります。貧血の症状には、動悸以外にも、疲労感、息切れ、立ちくらみ、めまいなどがあります。

低血糖

低血糖になると、血糖値を上げるためにアドレナリンが分泌されます。アドレナリンは肝臓に作用し、グリコーゲンの分解と糖新生を亢進させて血糖値を上昇させます。しかし、アドレナリンには心拍数を増加させる作用もあり、その結果、動悸が生じることがあります。低血糖の症状には、動悸の他にも、冷汗、手足の震え、意識障害などが見られることがあります。

パニック障害

パニック障害とは、突然強い恐怖感や不安感に襲われ、身体的および精神的な症状を伴うパニック発作を繰り返す病気です。パニック発作時にはアドレナリンが大量に分泌され、その影響で心拍数が急激に上昇し、動悸が生じます。パニック発作の他の症状には、発汗、震え、息切れ、頭痛、めまい、非現実感、そして死への恐怖などがあります。

動悸の検査

心電図検査

心電図検査では、不整脈の有無を確認するために行います。通常の心電図検査で異常が見つからない場合には、24時間連続して記録できるホルター心電図検査が行われることもあります。

心エコー検査

心エコー検査では、心臓を詳細に観察することができ、心機能の低下による不整脈の有無を確認します。

胸部X線検査

胸部X線検査では、心拡大や肺うっ血、胸水の有無を確認します。

血液検査

血液検査では、循環器疾患や甲状腺疾患、血糖値、貧血などを調べます。BNP値を測定することで、心臓への負担の程度を把握することができます。

動悸の治し方

生活習慣の改善

軽度の動悸であれば、疲労や寝不足、精神的ストレスなどが原因となっていることがあります。その場合、十分な休養をとる、運動習慣や食生活を改善する、禁煙をするなどの生活習慣の見直しにより、動悸が改善することがあります。

薬物療法

薬物療法では、動悸の原因に応じて抗凝固薬や抗不整脈薬などが使用されます。抗凝固薬は、心房細動が原因で動悸が生じている場合に服用されます。不整脈が動悸の原因であれば、抗不整脈薬を服用します。

カテーテル治療

カテーテル治療不整脈が原因で動悸が生じており、薬物療法の効果が十分でない場合には、カテーテル治療を検討します。カテーテル治療では、カテーテルを血管から心臓に挿入し、心臓の内部で異常な電気信号を発する部位に高周波電流を流して焼却することで、不整脈の原因を取り除きます。

動悸がした時の対処方法

動悸がした時の対処方法動悸が生じた際には、まず楽な姿勢をとり、動悸が治まるかどうか様子を見ましょう。安静にしていても動悸が治まらない場合は、病院を受診してください。
ただし、動悸に加えて胸の痛みや息苦しさを感じる場合は、直ちに病院を受診する必要があります。

よくあるご質問

動悸の原因はストレスが関係しますか?

ストレスによって自律神経が乱れ、交感神経が過度に刺激されると、動悸が引き起こされることがあります。ストレスによる動悸を感じたら、ゆっくりと深呼吸をしたり、ストレッチをしてリラックスしたりすると、動悸が治まることがあります。

動悸は何科を受診すればいいですか?

動悸が心臓の病気が原因でないかを確認することが重要です。心電図検査や心エコー検査など、心臓の検査ができる循環器内科を受診することをおすすめします。

水を飲むと治る動悸は問題ありませんか?

水を飲むと収まる動悸の場合、神経痛や狭心症の可能性があります。