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むくみ・足のむくみ

むくみ(浮腫)とは?

むくみとはむくみとは、体内の余分な水分が皮膚の下に溜まっている状態を指し、浮腫とも呼ばれます。
心臓から送り出された血液は、動脈を通って全身の組織に酸素や栄養を含む水分を届けます。
組織で不要になった老廃物を含んだ水分は、静脈やリンパ管に回収され、再び心臓に戻ります。
しかし、何らかの原因で静脈やリンパ管の流れが悪くなると、水分が回収されにくくなります。
その結果、細胞と細胞の間に水分が過剰に溜まり、皮膚が水分に押されて膨らんだような状態になります。

むくみの症状チェック

むくみの症状チェックむくみをチェックする方法として、足のすねを指の腹で5秒間押します。
指を離した時に皮膚が10秒以上へこんだままの場合、むくみと判定されます。
むくみは一般的に夕方以降に悪化するため、朝と夜の両方でチェックしてみてください。

むくみに加えてこのような症状はありませんか?

むくみは健康な人にも起きますが、様々な病気が原因で生じていることもあります。

  • 手足が冷たい
  • 頭痛が頻繁に起きる
  • 疲れやすい
  • 足がしびれる
  • 肩こりや首の痛みがある
  • めまいや立ちくらみがある
  • 頻尿 など

むくみに加えてこれらの症状が見られる場合は、お早めにおのころクリニックへご相談ください。

むくみで体重はどれくらい増える?

むくみで体重はどのくらい増える?むくみによる体重増加は、むくみの原因や本人の全身状態によって異なります。
一般的には、軽度のむくみの場合は2~3kgの体重増加が見られ、足首付近からむくみ始めます。
5kg以上の体重増加があると、むくみが全身に広がることがあります。原因によっては、数日で10kg前後体重が増加することもあります。

むくみの原因(病気以外)

同じ体勢で過ごしている

同じ姿勢で長時間過ごしていると、むくみを引き起こす原因となります。足に溜まった血液は、筋肉がポンプのように動くことで心臓に押し戻されますが、筋肉が動かないとポンプ作用が低下し、血液の流れが滞ります。

筋力不足

運動不足や食事を抜くだけの無理なダイエットは、筋力の低下を招きます。特にふくらはぎの筋力が低下すると、足の血液を心臓へ戻すポンプ機能も低下するため、むくみを引き起こす原因となります。

塩分過多

塩分は体内に水分を溜め込む作用があるため、摂り過ぎると体内の余分な水分を適切に排泄することが難しくなります。その結果、むくみやすくなるため、塩分の摂り過ぎには注意が必要です。

アルコールの摂りすぎ

アルコールを飲み過ぎると、アルコールの作用で血管が拡張します。その結果、血管内から血管外へ水分が漏れ出し、むくみを引き起こす原因となります。

自律神経の乱れ

ストレスや不規則な生活リズム、睡眠不足などによって自律神経が乱れると、水分の代謝が低下し、むくみを引き起こす原因となります。

冷え

体が冷えると血液循環が悪くなり、血液やリンパ液の流れが滞るため、むくみを引き起こす原因となります。

ホルモンバランスの乱れ

妊娠や生理に伴ってホルモンバランスが乱れると、血管の収縮や拡張をコントロールする自律神経が乱れます。その結果、血液やリンパ液の流れが悪くなり、むくみを引き起こす原因となります。

薬の副作用

薬の副作用が原因でむくみが生じることもあります。むくみの副作用がある薬には、高血圧の治療薬であるカルシウム拮抗薬、糖尿病治療薬のピオグリタゾン、ステロイド、非ステロイド性抗炎症薬などがあります。服用を中止すれば症状は改善しますが、自己判断で服用を中止せず、必ず医師の指示に従ってください。

むくみの原因となる病気

全身性浮腫

心臓病

心臓の病気により心臓のポンプ機能が低下すると、血液の流れが悪くなり、血管内に余分な水分が溜まります。その結果、むくみが生じる原因となります。全身性の浮腫を引き起こす心臓の病気には、心不全や重度の弁膜症などがあります。

腎臓病

腎臓の病気により腎機能が低下すると、本来であれば排泄されるべき水分や塩分が排泄できずに体内に留まり、むくみを引き起こす原因となります。

肝臓病

肝硬変では、むくみの症状が見られることがあり、これを肝性浮腫と呼びます。肝硬変になると、水分を血管内に保持する作用があるアルブミンの合成ができなくなったり、血液が肝臓に流れにくくなって血液の流れが悪くなったりします。その結果、むくみが生じる原因となります。肝硬変が原因のむくみの場合、腹水を伴うことが多いです。

その他

甲状腺機能低下症や副腎皮質ホルモンの異常などの内分泌疾患、関節リウマチなどでも、むくみの症状が現れることがあります。

局所性浮腫

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤とは、足の静脈が太くなって瘤状に盛り上がって見える状態のことを指します。静脈には血液が逆流しないように弁が付いており、静脈弁が正常に機能していれば、血液の逆流を防ぎながら血液を心臓に戻してくれます。しかし、静脈弁の動きに障害が生じると、血液が逆流して下肢静脈瘤を生じます。これにより血液の流れが滞り、むくみの原因となります。

深部静脈血栓症

深部静脈血栓症とは、太ももや膝の中心を走る深部静脈に血栓が生じて詰まり、片足全体が赤く腫れる状態を指します。長時間安静にしている時や、長時間乗り物に乗っている時などに、血栓が生じやすくなります。血栓が静脈から肺に向かって流れ、肺の血管に詰まると肺塞栓症を引き起こし、生命にかかわる危険性があります

リンパ浮腫

リンパ浮腫とは、リンパの流れが滞り、手や足にむくみが生じる病気です。リンパ浮腫は、先天的にリンパ管の発達が悪い原発性リンパ浮腫と、手術や放射線治療によって生じる二次性リンパ浮腫に分けられます。日本では、がんの手術や放射線治療に伴って発症するケースが大半を占めています。

皮膚感染症

外傷、巻き爪、水虫、湿疹、虫刺されなどをきっかけに、皮膚に細菌感染が起こると、むくみを生じることがあります。

廃用性浮腫

廃用性浮腫とは、長期間の安静や運動不足により足の筋力が低下すると、血液を心臓へ戻すポンプ機能も低下し、血液やリンパ液の流れが滞ってむくみが生じる状態を指します。特に高齢者や寝たきりの人に多く見られます。

むくみの治療方法・改善方法

食事療法

塩分やアルコールの摂り過ぎは、むくみの原因となるため、控えるようにしましょう。カリウムは余分な塩分の排出を促す作用があるため、カリウムを多く含む、ほうれん草、いも類、海藻などを積極的に摂取するようにしましょう。

運動療法

むくみを軽減するためには、運動療法も効果的です。ウォーキングや軽いジョギングなど、適度な運動習慣を日常生活に取り入れましょう。

医療用弾性ストッキング

薬局で販売されている医療用弾性ストッキングは、下肢を圧迫して静脈の血流を促し、むくみの改善が期待できます。

原因疾患の治療

むくみは、心臓疾患、腎臓疾患、肝硬変など、様々な病気が原因で生じます。これらの病気が原因でむくみが生じている場合は、原因となる病気の治療を行います。

むくみの受診の目安

緊急で受診をおすすめするケース

むくみ以外にも、足の強い痛み、胸の強い痛み、息苦しさ、足の色が赤紫に変色するなどの症状が見られる場合や、急激にむくみが出現した場合は、緊急性が高いと考えられます。早急に医療機関を受診するか、必要に応じて救急車を呼んでください。

様子を見て受診をおすすめするケース

足のむくみが徐々に強くなる、足以外にもむくみがある、体重増加や息切れなどの自覚症状がある、他の病気で治療をしている場合は、緊急で受診する必要はありません。しかし、なるべく早く内科や循環器内科を受診してください。むくみが気になる方は、ぜひ当クリニックまでご相談ください。